銭形泪「雨音は殺しの調べ〜男子三楽坊殺人事件」

この作品でも、モキュの目の演技炸裂。まずは、堤と猫田を発見するシーン。物語後半で、泪がなぜ竹本が犯人と思ったかの理由を話してますが、このシーンでの泪の視線を良く見ていると、そう確信する過程がちゃんと演技として入っているのが分かります。これは、いったん全部見てからもう一度見ないと分からないんじゃないかな。
それから、謎解きのシーン。ここで、泪がトリック解明の鍵でありかつ事件の動機ともなった、竹本が耳が聞こえないという事実を見事に言い当てますが、このときの悲しげな目がいい。また、台詞の内容によって視線を微妙に動かすんだけど、これもうまい。「ケータイ刑事マニアルブック」で、田沢幸治監督(この作品の監督ではないですが)が、”センテンスが変わるたびに、表情をちょっと変えるとかすごく演技がうまい”とモキュを評してますが、そのことが良くわかるシーンです。

いわずもがなだが、男子三楽坊は女子十二楽坊のパロディ。名前を拝借しただけではなく、冒頭で泪が聞いている男子三楽坊のCDの曲は女子十二楽坊の曲(「自由」だっけ?)を三味線とつづみで演奏したものだったりします。また、犯人が自供するシーンでいつもかかるオープニングの曲を悲しげにアレンジしたBGMが、この回では尺八で演奏されているスペシャルバージョンになってるという、細かいこだわりも見えます。

ところで、この話の中で物的証拠としてコンタクトレンズについた指紋が出てくるけど、普通ぬれた状態で扱うコンタクトレンズに指紋ってつくの?